平成28年3月に成立した改正社会福祉法では、社会福祉法人に対して地域貢献が義務付けられました。障害者支援施設には、国や都道府県などが運営しているものもありますが、多くの施設は社会福祉法人によって運営されています。そのため、地域貢献を目的とした事業を実施する障害者支援施設が近年増えています。
具体的には、どのような事業を通して地域貢献が行われているのでしょうか。各障害者支援施設の考え方や地域の状況によっても異なりますが、一例として介護講座の開催があります。これは地域住民を対象に、施設職員が講師となって介護技術や福祉制度などを解説する講座です。施設が持つ人的資源や情報力を地域に還元することを通して、地域貢献を果たしているのです。また、施設の一部を喫茶や食堂として開放している施設もあります。地域に暮らす障害者や高齢者にとって気兼ねなく利用できる貴重な場になっているほか、地域住民と施設入所者が自然に交流できる場としての役割も果たしています。ほかにも、夏祭りなどのイベントの開催、施設の会議室や交流スペースの貸し出し、災害時の避難場所の提供など、様々な形で地域貢献が行われています。
このような地域貢献は、地域住民や入所者はもちろん、障害者支援施設で働く職員にとっても意義のあるものです。介護職員としての知識や経験を、入所者だけでなく多くの地域住民に対しても活かすことができるため、仕事のやりがいにつながります。